【乙四】平成28年度過去問
[危険物に関する法令]
(注)問題中に使用した略語は、次の通りです。
法 ・・・・・・・消防法
政 令・・・・・・・危険物の規制に関する政令
規 則・・・・・・・危険物の規制に関する規則
製造所等・・・・・・・製造所、貯蔵所又は取扱所
免 状・・・・・・・危険物取扱者免状
所有者等・・・・・・・所有者、管理者又は占有者
[問 1]消防法上の危険物についての説明として次のうち誤っているものは誰か。
- 危険物とは、法別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。
- 危険物には、酸化性個体、可燃性個体、自然発火生物質及び禁水性物質、引火性液体、自己反応性物質、酸化性液体がある。
- 液化石油ガスも、危険物に指定されている。
- 引火の危険性は、引火点測定器により引火点を測定して判定し、火炎による着火の危険性は、小さな炎の接触により着火し燃焼を継続できるかで判定する。
- 危険物は、それ自体が発火又は引火しやすい危険性を有している物質のみでなく、他の物質と混在することによって燃焼を促進させる物品も含まれている。
[問 2]法令上、予防規定について、次のうち正しいものはどれか。
- 予防規定は、製造所等の火災を予防するため漏油災害のみの対応について定めなければならない。
- 予防規定を定めたときは、市町村長等の許可を受けることが義務付けられている。
- 製造所の所有者及びその従業員は、予防規定を守らなければならない。
- 消防署長は火災の予防のため必要があるときは、予防規定の変更を命ずることができる。
- 予防規定は、製造所等の危険物取扱者か又は危険物保安監督者が作成しなければならない。
[問 3]法令上、指定数量の倍数の計算方法として、次の文中の( A )〜( C )に当てはまる語句の組み合わせで、正しいものはどれか。
「別表第一に掲げる品名又は指定数量を異にする2以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合において、当該貯蔵又は取り扱いに関わるそれぞれの危険物の( A )を当該危険物の( B )で除し、その( C )となるときは、当該場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているものとみなす。」
A B C
1 数量 指定数量 商の最大が1以上
2 指定数量 数量 商の和が1以上
3 数量 指定数量 商の和が1以上
4 指定数量 数量 商の最小が1以上
5 指定数量 数量 商の最大が1以上
[問 4]令状、危険物を貯蔵し又は取り扱う建築物その他の工作物の周囲に、原則として空地を保有しなければならないが、次のうち誤っているものはどれか。ただし、特例基準を適用する場合を除く。
- 屋外タンク貯蔵所は、指定数量の倍数により保有空地の幅が定められている。
- 給油取扱所は、保有空地を必要としない。
- 第一種販売取扱所は、保有空地を必要としない。
- 簡易タンク貯蔵所の簡易タンクを屋内に設置する場合は、保有空地を必要としない。
- 屋内貯蔵所は、床面積により保有空地の幅が定められている。
[問 5]法令上、危険物とその火災に適応する第5種の消火設備との組み合わせで、次のうち誤っているものはどれか。
- 第4類、第5類、第6類の危険物・・・水消化器(棒状)
- 第4類、第5類、第6類の危険物・・・強化液消化器(霧状)
- 第4類の危険物・・・二酸化炭素消化器(霧状)
- 第4類の危険物・・・泡消化器
- 第4類、第5類、第6類の危険物・・・粉末消化器(炭酸水素塩類等)
[問 6]法令上、屋内貯蔵所の位置、構造及び技術上の基準について、次のうち謝っているものはどれか。
- 屋内タンク貯蔵所は、平家建ての建築物に設けたタンク専用室に設置しなければならない。
- タンク専用室は、屋根を不燃材料で造るとともに、天井を設けてはならない。
- タンク専用室の窓は防火設備を設けなければならない。
- 屋内貯蔵タンクの容量は、指定数量の倍数の40倍以下としなければならない。
- タンク専用室の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、傾斜のないものとしなければならない
[問 7]次の文の( )内のA〜Cに当てはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
「製造所等(移送取扱所を除く)を設置するためには、消防本部及び消防署を置く市町村の区域では当該( A )、その他の区域では当該区域を管轄する( B )の許可を受けなければならない。また、工事完了後にはすぐ( C )により、許可内容通り設置されているかどうかの確認を受けなければならない。」
A B C
[問 8]法令上、市町村長等から製造所等の許可の取り消しを命ぜられる場合として、次のA〜Dのうち、その事由に該当するもののみの組み合わせはどれか。
A 危険物保安監督者を定めなければいけない製造所等で、それを定めていなかったとき。
B 予防規定を制定しなければならない製造所等で、制定していなかった。
C 製造所等の定期点検の実施・記録・保存がなされないとき。
D 設置の許可を受けて完成した製造所等が、完成検査を受けずに使用開始した。
- A B
- A C
- B C
- B D
- C D
[問 9]法令上、製造所等の定期点検について、次のうち誤っているものはどれか。ただし、規定で定める漏れの点検及び固定式の泡消化設備に関する点検を除く。
- 点検は製造所等の位置、構造及び設備が技術上の基準に適合しているか点検する。
- 移動タンク貯蔵者と地下タンク貯蔵所は、危険物の数量に関係なく全て定期点検を実施義務がある。
- 危険物施設保安員の立ち会いがあれば、危険物取扱者以外の者も定期点検を行うことができる。
- 定期点検終了後、その点検記録を一定期間保存しなければならない。
- 定期点検は1年に1回以上実施しなければならない。
[問 10]法令上、免状の書き換えが必要な事項について、次のうち正しいものはどれか。
- 現住所を変えたとき。
- 本籍地の属する都道府県を変えずに、市町村を変えたとき。
- 写真が撮影されてから10年を超えたとき。
- 勤務地が変わったとき。
- 危険物の取扱作業の保安に関する講習を終了したとき。
[問 11]法令上、指定数量が30倍以下の第4類危険物を貯蔵し又は取り扱う次の施設のうち、危険物保安監督者の選任が必要なものはどれか。
[問 12]法令上、危険物の取扱作業の保安に関する講習について、次のうち正しいものはどれか。
- 危険物施設保安員は、すべてこの講習を受けなければならない。
- 危険物保安監督者に選任された危険物取扱者のみが、この講習を受けなければならない。
- 危険物取扱者であっても、現に製造所等において危険物の取扱作業に従事していない者は、この講習を受ける必要はない。
- 危険物取扱者はすべてこの講習を受けなければならない。
- 現に危険物の取扱作業に従事している者で、法令に違反した者のみが受けなければならない。
[問 13]移動タンク貯蔵者による危険物の貯蔵、取扱い及び移送について、次のうち正しいものはどれか。
- 移動タンク貯蔵者の所有者が認めた場合は、危険物取扱者が乗車しなくてもよい。
- 移送する危険物の指定数量の倍数が変わらなければ、品名を変更しても届出の必要はない。
- 移送中に移動貯蔵タンクからガソリンが漏れていることに気づいたが、ガソリンは揮発性が高いので、そのまま移送を続けた。
- 丙種危険物取扱者はガソリンを移送することができる。
- 消防吏員と警察官は、走行中の移動タンク貯蔵所を停止させることはできない。
[問 14]危険物の運搬について、次のうち誤っているものはどれか。
- 指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合は、標識を掲げるほか、消化設備を備えなければならない。
- 運搬容器は、収納口を上方に向けて積載しなければならない。
- 第1種の危険物と第4類の危険物とは、指定数量の10分の1以下である場合を除き、混載して積載してはならない。
- 指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合は、所轄消防庁又は消防署長に届け出なければならない。
- 運搬容器の外部には、原則として危険物の品名、数量等を表示して積載しなければならない。
[問 15]法令上、製造所等における危険物の貯蔵・取扱い基準として、次のうち正しいものはどれか。
- 危険物の残存している設備、機械器具、容器などを修理する際には、安全な場所において危険物を完全に除去した後に行わなければならない。
- 危険物のくず、かす等は、1週間に1回以上廃棄、処置をすること。
- 危険物を廃棄する場合は、いかなる場合であっても焼却してはいけない。
- 許可・届出された品名以外の危険物や、許可・届出された数量もしくは指定数量の倍数を超える危険物の貯蔵、取り扱いをするときは、その安全性に注意して行うこと。
- 火災予防のため、いかなる場合であっても火気を使用してはならない。
[物理学・化学]
[問 16]燃焼に関する説明として、次のうち正しいものはどれか。
- ガソリンのように、液面上から発生した可燃性蒸気が燃焼することを表面燃焼という。
- セルロイドのように、分子内に含有している酸素によって燃焼することを直接燃焼という。
- 水素のように、気体がそのまま燃焼するので自己(内部)燃焼という。
- コークスのように、蒸気を発生せず固体がそのまま燃焼することを分解燃焼という。
- メタノールのように、発生した蒸気が空気と混合して燃焼することを蒸気燃焼という。
[問 17]危険物の燃焼しやすさとして、次のうち関係ないものはどれか。
- 引火点の低いもの
- 発火点の低いもの
- 燃焼範囲の広いもの
- 含有水分の少ないもの
- 気化熱の大きいもの
[問 18]「ある可燃性液体の引火点は50℃である。」この記述について正しいものはどれか。
- 気温が50℃になると燃焼可能な濃度の蒸気を発生する。
- 液温が50℃になると液面に点火源を近づければ火が着く。
- 液温が50℃になると発火する。
- 気温が50℃になると自然に発火する。
- 液温が50℃になると蒸気を発生し始める。
[問 19] 消化剤について、次のうち誤っているものはどれか。
- ハロゲン化物の消化剤は、電気の不導体で電気設備の火災にも適応する。
- 粉末消火剤は、リン酸塩類等を主成分としたものと、炭酸水素塩類を主成分にしたものがあるがどちらも油火災には適応しない。
- 泡の消化剤は窒息効果と冷却効果があり、発泡機構等により、化学泡消化剤と空気泡消化剤とに大別される。
- 二酸化炭素の消化剤は窒息効果があるが、二酸化炭素は高圧で圧縮され、液状で本体容器に充てんされる。
- 強化液はあるから金属塩の濃厚な水溶液で、霧状に噴射した時のみ、電気設備の火災に適応する。
[問 20] 次の下線(A)〜(E)のうち誤っているものはどれか。
「動植物油類の自然発火は、油が空気中で酸化され、この反応で発生した熱(酸化熱)が蓄積されて(A)発火点に達するとおこる。
自然発火は一般に乾きやすい油(乾性油)ほど(B)起こりやすく、この乾きやすさを(C)油脂100gに吸収するよう素グラム数で表したものをよう素価といい、不飽和脂肪酸が多いほど(D)よう素価が小さく、よう素価が大きいほど(E)自然発火しやすくなる。
- (A)
- (B)
- (C)
- (D)
- (E)
[問 21] 静電気の発生等についての説明で次のうち誤っているものはどれか。
- 2つの固体の摩擦、離り、衝突などの過程で発生する。
- 液体をフィルタでろ過する際に、イオンの吸着現象により発生する。
- 固体の破砕などの破壊過程で発生する。
- 静電誘導、帯電粒子、イオンの付着により発生する。
- 溶解しない粉体を混合しかくはんする場合、かくはん槽の壁面のみで発生する。
[問 22] 圧力と温度によって、物質がどのような状態にあるかを示した図を状態図というが、次の水の状態図から、A、BおよびCの状態として正しい組み合わせはどれか。
[問 23] 次のA〜Eのうち、化学変化によるものはいくつあるか。
A ドライアイスを放置したら、小さくなった。
B 鉄が錆びて、ぼろぼろになった。
C 紙が濃硫酸にふれて黒くなった。
D 氷が溶けて水になった。
E ナフタリンが昇華した。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- 5つ
[問 24] 酸化反応について、A〜Cのうち正しいもののみを揚げているものはどれか。
A 物質が酸素を受け取る反応を酸化という。
B 物質が電子を失う反応を酸化という。
C 相手の物質を酸化させる物質を酸化剤という。
- A
- A
- A
- A C
- A B C
[問 25] 比熱(c)、質量(m)とした場合、熱容量(C)の関係式として、次のうち正しいものはどれか。
(^2は二乗)
- C=mc
- C=mc^2
- C=m^3c
- C=m/c^2
- C=c^2 /m
[性質・消化]
[問 26] 危険物の類ごとに共通する一般的な性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 第1類の危険物は、酸化性の個体で分解して酸素を発生する。
- 第2類の危険物は、着火または引火しやすい可燃性の固体である。
- 第3類の危険物は、禁水性及び自然発火性の物質である。
- 第5類の危険物は、分解又は爆発しやすい液体である。
- 第6類の危険物は、酸化性の液体、燃焼性はない。
[問 27] 移動タンク貯蔵所から給油取扱所の地下専用タンクにガソリンを注入しているときに流出事故が発生した場合の処置として、次のうち適切でないものはどれか。
- 移動貯蔵タンクの底部手動閉鎖装置を作動してガソリンの注入を中止し、消化の準備をする。
- ガソリンの流出事故が発生したことを、従業員及び施設内の人達に知らせるとともに、消防機関に通報する。
- 事務室および湯沸かし室などの火気設備の火を消すとともに、出入り口の扉の閉鎖をかくにんするあ。
- 大量の水であふれたガソリンを油分離装置に流し込み、界面活性剤で浮化させ、下水に流す。
- 顧客を避難させ、出入りを禁水するとともに、道路通行人に注意を呼びかける。
[問 28] 第4類の危険物の火災における消化効果等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 水溶性の危険物の火災には、棒状の強化液消化剤の放射が最も効果的である。
- 乾燥砂は小規模の火災に効果的である。
- 初期消化には、霧状の強化液消化剤が効果的である。
- 泡を放射する小型の消化器、小規模の火災に効果的である。
- 一般に注水よる消火は不適切である。
[問 29]第4類の危険物の危険をあらわすもので、次のうち誤っているものはどれか。
- 引火点が低いものほど、危険性は大きい。
- 燃焼範囲の下限値の数値が小さいものほど危険性が大きい。
- 燃焼範囲の下限値が等しい物質どうしでは、上限値の数値が大きい方が危険性は大きい。
- 燃焼範囲の幅が等しい物質どうしでは、下限値が小さい方が危険性大きい。
- 液体の比重が大きいほど、蒸気密度が小さいので、危険性は大きい。
[問 30] 次の危険物の中で水中に水没して保管しなければならないものはどれか。
[問 31]自動車ガソリンの性状等について、次のうち誤っているものはどれか。
- 常温(20℃)で火炎を近づけると着火する。
- 水に溶けるので、水溶性液体用の泡消化剤を使用する。
- 350℃の高温体に触れると発火する危険がある。
- ゴム製品やプラスチック製品を膨潤させることがある。
- 蒸気比重は3〜4で、オレンジ系色に着色されている。
[問 32]動植物油のうち乾性油は自然発火することがあるが、次のうち最も自然発火を起こす危険性が高いものはどれか。
- 金属製容器に入ったものが長期間、倉庫に貯蔵してある。
- ぼろ布等に染み込んだものが長期間、通風の悪い所に貯蔵してある。
- ガラス製容器に入ったものが長時間、直射日光にさらされている。
- 水を混入したものが、屋外に貯蔵されている。
- 種々の動植物油が同一場所に貯蔵されている。
[問 33]キシレンの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色の液体である。
- 特臭がある。
- 3種の具体性が存在。
- 二硫化炭素によく溶ける。
- 蒸気は空気より軽い。
[問 34]二硫化炭素、アセトン、エタノールの性状の比較として、次のうち誤っているものはどれか。
- 燃焼範囲は、二硫化炭素が最も広い。
- 沸点は、エタノールが最も高い。
- 液比重は、二硫化炭素が最も大きい。
- 発火点は、アセトンが最も高い。
- 水に溶けるのはアセトンだけである。
[問 35]メタノールと2ープロパノールの性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 火災の際は、水溶性液体用の泡消化剤を使用する。
- 燃焼範囲の上限値は50%より小さい。
- 液比重は0.8である。
- 水には溶けるがエーテルには溶けない。
- 発火点は363℃より高い。
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答え
- 3
- 4
- 3
- 5
- 1
- 5
- 2
- 5
- 3
- 3
- 2
- 3
- 4
- 4
- 1
- 5
- 5
- 2
- 2
- 4
- 5
- 1
- 2
- 5
- 1
- 4
- 4
- 1
- 5
- 3
- 2
- 2
- 5
- 5
- 4